社長様はご自身の「引退」についてお考えになったことはありますか?ご事業に一生懸命で余裕がなく、かつ万が一の場合には公的年金などのセーフティーネットがあるという思いから、引退後の生活について、「時には旅行するなどして、のんびりした生活を過ごせればいい。」、といった漠然としたお考えを持っていらっしゃる方がほとんどではないでしょうか。
しかし、「引退」するとした場合、どうしても避けて通れない問題があります。一つは老後を豊かに生活するための「老後の資金計画」であり、もう一つは事業を後継者様に円滑に承継するための「相続対策」です。

「老後の資金計画」については、皆様もご承知のとおり、900兆円にも上る国の借金により、公的年金などの国のセーフティーネットが危機に瀕しています。今までは、老後のお金のことをあまり考えておかなくても、人並みの生活が保障されていましたが、現在はこの「人並みの生活」が今後も保障されるのか、極めて不透明な状況であると言えるでしょう。このため、現代を生きる日本国民は、自分で老後に必要になるお金を確保しておかなければ生きていけないのではないか。こんな絶望的な予測が現実味を帯びていると考えられます。
「相続対策」については、事業を後継者に承継することは、非常に難しいという印象を持っています。中国の格言で、「創業は易く、守成は難し。」というものがあります。この格言は、「新たに事業を興すよりも、それを衰えさせないように守っていくほうがむずかしい。」ということを意味しています。事業を成長させた社長様ですが、後継者様が社長様の事業を守っていくためには社長様以上の能力が必要になる、と考えられますので、会社の将来を想うのであれば、早いうちから後継者を選び、育て上げる必要があるのではないでしょうか。
税理士という立場上、社長様の後継問題について口を出すことはできませんが、「税」という観点から申し上げますと、早めに後継者様を定め、必要な対策を行っていなければ、「膨大な相続税」というご自分の会社やご家族の財務を揺るがす問題が、後継者様にのしかかってくることは間違いない、と断言できます。社長様にとって、ご引退とご事業の引継ぎは、最大の経営問題といっても過言ではないのです。
このように考えていくと、社長様がご引退なさり、幸せな老後を過ごすためには、この2つの問題をクリアしなければならない、ということになります。
































